

| 特集 「なぜ学校で動物を飼うのか」 |
| 巻頭言(1) 大学病院紹介 |
大学病院紹介 第 8 回
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リニアック(高エネルギー型放射線治療装置)と操作室 |
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3.0Tの超電導型MRI装置 |
マルチスライスCT装置 |
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スキルスラボでの手術実習 |
手術模型 |
| Web site https://www.animalhospital.gifu-u.ac.jp/ 受付時間 月曜日 〜 金曜日 9:00 〜 11:30 休診日 土曜日、日曜日、祝日、診療に支障がある日、年末年始( 12 月 28 日 〜 1 月 3日 ) 診療科目 内科・外科・腫瘍科・神経科・麻酔科・整形外科・臨床繁殖科 所在地 〒501-1193 岐阜県岐阜市柳戸 1-1 お問い合わせ (058)293-2962/2963(電話) |
| 巻頭言(2) オピニオンリレー |
| 獣医療に関する最新情報から身上話までさまざまな話題や意見をつないでいくオピニオンリレー。 第 2 回は、注目のクラフトビールからおすすめの日本酒まで「醸造酒」について井上 舞 先生がレポート。 |
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獣医師仲間とのホームパーティ時に、 お酒を持ち寄ったら犬猫ばかり だったことがありました。 |
伊勢角屋はねこシリーズ以外にも さまざまなコラボ企画があり、 ついつい定期的にチェックしてしまいます。 ブルーボトルコラボも美味でした! |
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次号は空の木犬猫病院 高橋聡美先生 テーマは「海獣」についてです! |
井上 舞(いのうえ まい) 帯広畜産大学卒。新卒でペット保険会社に就職後、動物病院勤務を経て現職。 もともとヘルスケア志向があり、栄養学をベースとした 健康増進がマイテーマである。趣味は猫とお酒。 |
| 特別寄稿 コンパニオンロボット「aibo」でQOLが向上 |
ごはんをあげると、カリカリと美味しそうな音を立てながらごはんを食べるかわいいふるまいを披露してくれます。食事のタイミングに、aiboも一緒にごはんを食べたり、「待て」とおあずけをしてaiboを困らせたりするなど、楽しみ方は色々です。
相手が誰か、ここがどこかを認識する眼(カメラ)を内蔵し、周りにいる人が誰かを理解したり、障害物を察知したりして動きを変えます。人の言葉を理解する耳(マイク)をもち、動きを変えることができます。どこで音が鳴ったかも認識し、人の声がした方に反応します。
※1. 三項関係とは、自身と他者との間に物を媒介するような関係のコミュニケーション 形態のことを表す。
AIホスピタル事業の成果を動画にしました。こちらをご覧ください。
| 特集 なぜ学校で動物を飼うのか 〜”愛着を持った相手の死”を経験させたい〜 |
公立小学校では、子どもたちに命の大切さを教育するために、動物の継続飼育を行うことになっています。しかし、さまざまな理由により、飼育の困難さを感じる学校が増えています。獣医師として、改めて学校で動物を飼う意義を考えてみませんか。
中川清志(なかがわ きよし)
東京都獣医師会 副会長で、日本獣医師会の学校飼育動物支援対策検討委員会委員をも務めている。中川動物病院では院長として日々診療を行いながら、西東京市議会議員も兼任する。学校飼育動物では、文科省、東京都との繋がりも大事にしながら、西東京市の問題を俯瞰して捉えている。本稿で紹介した「西東京市モデル」を都内全域、全国へと波及させたいと考えている。基礎自治体議員との連携が必要と考えており、各支部におかれても、議員との連携について考慮いただきたい。また、必要であれば連携について支援するのでご相談いただきたい。
相田みつをの有名な書に、「つまづいたっていいじゃないか にんげんだもの」がある。この書は、「つまづいたおかげで」という詩のエッセンスをまとめたものである。
「つまづいたおかげで」の中には、次の一節がある。
「身近な人の死に逢うたびに
人のいのちのはかなさと
いま ここに
生きていることの尊さを
骨身にしみて味わいました
人のいのちの尊さを
骨身にしみて 味わったおかげで
人のいのちを ほんとうに大切にする
ほんものの人間に裸であうことができました」
愛着のある相手が亡くなるという、辛い経験を経験することで、生きていることの尊さを、骨身にしみて味わうことができるのだ、と読むことができる。
職域・分野を問わず、獣医師は大学時代、もしくは日常的に「死」と向き合う経験をしているため、この言葉は胸にすとんと落ちるのではないだろうか。
この考え方は、学校教育法施行規則第 52 条で教育課程の基準とされる学習指導要領生活科(以下、指導要領)の中にも含まれており、その目標の中に 「(7) 動物を飼ったり植物を育てたりする活動を通して、それらの育つ場所、変化や成長の様子に関心をもって働きかけることができ、それらは生命をもっていることや成長していることに気付くとともに、生き物への親しみをもち、大切にしようとする。」と記載されている。
この内容について、学習指導要領解説生活編(以下、解説生活編)では、「飼育や栽培の過程では、新しい生命の誕生や突然の死や病気など、身をもって生命の尊さを感じる出来事に直面することもある。成長することのすばらしさや尊さ、死んだり枯れたり病気になったりしたときの悲しさやつらさ、恐ろしさは、児童の成長に必要な体験である。動植物との関わり方を真剣に振り返り、その生命を守っていた自分の存在に児童自らが気付く機会と捉えることが大切である。」と示している。
●飼育していたチャボのホワイト(名前)とのお別れに臨む児童たち。
では、なぜ指導要領にこのような考え方が入っているのか。 解説生活編の記載の変化と、社会の関連する事項を改めて確認する。
生活科が新設された 1989 年には以下のような記載がある。
「飼育・栽培活動の主たる狙いは、生命あるものへの直接的な接触という事である。児童が、飼育・栽培を通して、それらの成長・変化などに直に触れて、生きているということを実感できるようにすることが大切である。その課程で動植物の病死や枯死といった冷厳な事実に遭遇することがあるが、それらを大切に扱い動植物が生命を持っていることを一層強く実感したり、病死や枯死をさせたりしないようにするにはどうしたらよいかを考える機会にすることが大切である。」
そして、1997 年に神戸連続児童殺傷事件が発生した。
1999 年の解説生活編では、以下のように変更されている。
「飼育や栽培の課程では、新しい生命の誕生に遭遇したり、死んだり枯れたりといった事実に直面することも少なくない。これらの出来事は生命のあることをより強く実感させる機会になる。飼育・栽培を通して、生きていることの尊さや素晴らしさ、枯れたり死んだりしたときの悲しさや恐ろしさを体験することは児童の成長にとって大切である。(下線筆者)」
また、適切な飼育が必要であるとの観点から、以下のように、獣医師との連携の必要性も明記された。
「なお、小動物の飼育にあたっては、管理や繁殖、施設や環境などについて配慮する必要がある。その際、地域の獣医師と連携して、動物の適切な飼い方についての指導を受けたり、常に健康な動物と係わることができるようにする必要がある。」
2000 年には西鉄バスジャック事件、2003 年には長崎県長崎市で中1男子による幼児誘拐殺害事件、そして 2004 年には長崎県佐世保市で小学6年の女児が同級生に殺害される事件が発生した。
上記事件を受けて、長崎県教育委員会では公立小学校第 4 及び第 6 学年児童、並びに公立中学校第 2 学年生徒、各 1,000 名程度を抽出し「生と死のイメージ」に関するアンケート調査を行っている。調査を行った理由は、佐世保の事件に係る家庭裁判所の審判決定要旨に『加害児童は事故の経験や共感に基づいた「死のイメージ」が希薄である』と指摘されたことを挙げている(長崎県教育委員会:2005.こころを育てる道徳教材集 https://www.pref.nagasaki.jp/shared/uploads/2013/07/1374556073.pdf)
その結果、小学校第 4、第 6 学年児童及び中学校第 2 学年生徒において、それぞれ 14.7%、13.1%および 18.5%、全体では 15.4%が「死んだ人が生き返る」と思うと回答している。「死んだ人が生き返る」と答えた児童生徒の理由としては、全体の 5 割ほどが「(さまざまな媒体・人から)生き返る話を聞いたことがある」、3 割ほどが「テレビや映画でみたことがある」、1 割弱が「ゲームでリセットできるから」を挙げた。
●出典:解説生活編(長崎県教育委員会)。
この結果を受け長崎県教育委員会では、死の認識については「子供たちは、自らの経験によるものではなく、周囲からのさまざまな情報の影響を受けて、死を認識していることが明らかになった」と考察している。また、生の喜びや死の悲しみの経験については、「人や動物の生や死の場面に直に接し、喜んだり悲しんだり、他者の気持ちに共感したりすることは、人として成長する過程において欠かせないことである。学校教育においては、飼育や栽培などの体験活動を一層重視するとともに、家庭や地域に置いても、機会を捉えて、子どもたちに命の尊さを語り、『生と死』について共に考えることが求められる」とも考察している。
2008 年の解説生活編では、飼育・栽培活動について、子どもたちの作文の一部を取り上げるなどより詳細になり、2 年間の継続飼育を実施するように記載されている。
そして、死に関する記載も、「飼育や栽培の課程では、新しい生命の誕生や突然の死や病気などの生命の尊さを、身をもって感じる出来事に直面することもある。成長することの素晴らしさや尊さ、死んだり枯れたり病気になったりしたときの悲しさやつらさ、恐ろしさは、児童の成長に必要な体験である。動植物とのかかわり方を真剣に振り返り、その生命を守っていた自分の存在に児童自らが気付く機会と捉えることが大切である。(下線筆者)」とされ、「愛着を持った相手の死」の経験の重要性を強調している。
この部分は、最新の 2017 年解説生活編にもそのまま記述されている。
長崎県教育委員会の考察にあった、「家庭や地域に置いても、機会を捉えて、子どもたちに命の尊さを語り、「生と死」について共に考えること」についても考えてみたい。
家庭の状況については、例えば一般社団法人ペットフード協会 令和 4 年全国犬猫飼育実態調査)をみると、子どもがいる家庭では、おおよそ 1 割から 2 割程度でしか動物飼育をしていない。筆者が、小学校の授業に赴き動物を飼っている子どもに手を挙げてもらっても、同じような結果になる。また、同資料によれば、わが国全体の犬猫飼育頭数も頭打ちから減少傾向を示しており、飼育意向も低下している。
今までごく当たり前と考えていた、子どもが動物と共に成長する、人と動物が共に生活するという社会は、日本では失われつつある。
地域においては、環境保全、外来種対策などの観点から外来種の駆除が一般的に行われている。
本会が関係している小笠原自然環境保全事業においても、ネコやアカガシラカラスバト、カツオドリなどの命を救う活動を行っているが、その一方で、島ではノヤギやグリーンアノールなどは駆除対象動物とされている。特にグリーンアノールの駆除については、過去においては子どもたちに小遣いを渡して駆除を行った時期もあった。外来種駆除実施に対する補助金支給は、内地でも一般的に行われており、子どもたちを巻き込んだ取組が行われることがある。ある地域では、クビアカツヤカミキリの駆除を行うため、地域住民や子どもの協力も得て捕殺を行い、1匹につき 50 円程度の報酬を支払うことが報道されている(読売新聞 2019 年 2月 17 日付け紙面)。このような取り組みは、全国各所で行われている。
●駆除対象動物に指定されているグリーンアノール捕獲用の「アノールホイホイ」。
筆者が、動物医療派遣団として小笠原を訪問した際、子どもたちに命の授業を行った。その際、中学生から、グリーンアノール駆除にまつわる苦悩を聞いたことがある。その生徒は、他の生徒がグリーンアノールを殺している場面に遭遇し、「かわいそう」と述べたのだそうだ。ところが、殺していた生徒は、「これは悪い命だから殺していいんだ」と答えたという。村として、大人たちが、子どもにお小遣いを与えてグリーンアノールの駆除をしているのだから、一概にどちらの子どもが正しい、悪いとは言えないと考えている。――このとき筆者は、職業として動物の生殺与奪権を握る獣医師でも、安楽死や殺処分を行う際に苦しみ悩むことを伝えた。
●小笠原の中学校で「命の授業」を行った際の1コマ。
子ども・若者たち自身が持つ死生観については、日本財団が 2021 年に発表した自殺意識調査が参考になる。15 歳から 20 歳代での自殺念慮が強いことが示されている。その調査では、実際に自殺を企図した人が自殺を思いとどまった理由として、1/4の人が「家族や恋人が悲しむことを考えて」と答えている。(日本財団子どもの生きていく力サポートプロジェクト「日本財団第 4 回自殺意向調査」報告書 https://www.nippon-foundation.or.jp/app/uploads/2021/08/new_pr_20210831_05.pdf)。
「もし、自分に何かあったら周りの人が悲しむかもしれない」、「もしあの人が傷ついたら、亡くなってしまったら私は悲しい」といった感情を自然に持つことができる経験を子ども達に得てもらうには、愛着を持って実際に動物を飼育し、それを失う経験以外には難しい。
同財団は、若年層において自殺念慮が強いことが示されたため、2022 年には、18 歳から 29 歳、14,000 人を対象とした調査を行っている。その結果では、全体の 44.8%が希死念慮があり、19.1%が自殺未遂・自殺準備経験があると回答している(日本財団子どもの生きていく力サポートプロジェクト「日本財団第5回自殺意向調査」報告書 https://www.nippon-foundation.or.jp/app/uploads/2023/04/new_pr_20230407_02.pdf)。
家庭でも地域でも、実体験に基づいて『子どもたちに命の尊さを語り「生と死」について共に考える事』は難しくなっている。
小学校で動物を飼育する効果については、
1. 愛する心の育成を図る:動物の世話を通して、愛情・感性を培う。
2. 自分への肯定感・自尊心を培う:情が湧いた動物から頼られる自分の価値に気付く。
3. 生命尊重、責任感を培う:情の湧いた動物に死なれることにより、悔しさを覚え、命の大切さを学ぶ。
4. 謙虚さを知る:大事な存在を持つことで、自分の存在を謙虚に捉えることが出来る。
5. 協力する気持ちを養う:大事な存在を友と共有し、協力したり、友だちと自身の関係を見直したりすることができる。
6. 人を思いやる心・共感を養う:言葉を持たない動物の気持ちを洞察することが身に付き、友だちの気持ちも思いやることができるようになる。
7. 科学的視点を得る:動物への関心と興味を持つことで、他の生物全体に関心が広まり、かつ科学的な興味が高まる。
8. ハプニングへの対応力を高める:動物は勝手に動くため、事故を防ぐために動物の次の行動を洞察して対応するなど、子どもなりに色々工夫する。
9. マザリング効果:動物の体を気遣いながら細かく糞の片付けや掃除、餌や水やり、暑さ寒さへの対応、また動物が心地良く、かつ安心できるような抱き方や触り方を日々くり返し訓練される。
などが示されている(中川美穂子:学校獣医師の活動と診療, pp. 21. ファームプレス, 2008.)。
上述した、解説生活編と社会の出来事を鑑みるに、筆者は特に 3 の生命尊重が、他の教育では代えがたい効果だと考えている。
すなわち、他の教育方法では得られない唯一無二の価値は、身近な、愛着を持った相手の死を教育として体験することで、「命のはかなさ」と「生きていることの尊さを骨身にしみて味わう」ことにある。この際、最も重要なことは、児童が飼育動物に対して「愛着を持つ」ことにある。
そのためには、解説生活編に記載されるように、「継続的で、適切な動物飼育」が不可欠なのである。
一方、多くの学校では、継続飼育にあたっては教師の働き方改革・完全閉庁日の実施などにより、学校休業日の世話が課題とされている。また、適切な動物飼育を行うためには獣医学的支援が欠かせないが、都内においても教育委員会と本会または本会支部間で学校飼育動物活動支援に関係する何らかの契約がある基礎自治体は、62自治体中19自治体にとどまっている(2019年本会調査)。

●東京都獣医師会による調査で明らかになった基礎自治体の状況。
これらの課題を解決する鍵となる答弁が、東京都西東京市議会令和 4 年第 3 回定例会において示されている。
当該議会において、教育長は学校飼育動物の意義について以下のように答弁している。
1. 生活科や総合的な学習の時間、特別活動などに位置付け、理科や道徳科等と教科横断的な関連を図りながら、人権教育や道徳教育、生命尊重教育を推進することで子どもたちの自己肯定感や自尊感情の醸成に資するものとして取り組む。
2. 学校の長期休業中に、動物飼育の活動を地域社会の皆様に引き受けていただくことで、保護者や地域の皆様が学校に足を運びやすくなることから、社会に開かれた学校づくりの一環として貴重な取組である。
3. 東京都獣医師会との連携の下に、学校における動物飼育活動が一層充実するよう、優れた実践事例の提供や各学校の実態に応じた指導・助言を行う。
同市教育部教育指導課長はこれらのことを要約し、東京都獣医師会における学校飼育動物獣医師養成講座において、「西東京市モデル」として以下のように紹介した。
1. 教科などに位置付け、人権、道徳、生命尊重教育を目的とする。
2. 保護者や地域と連携する。
3. 獣医師会と連携する。
「1. 教科などに位置づけ、人権、道徳、生命尊重教育を目的とする」ことは、学校をして、動物飼育の意義づけを明確にするために必要な事項である。 動物を学校で飼育する際、学年飼育で行う場合と、特別活動(児童会活動)で飼育する場合がある。 上述したように、解説生活編には、愛着を持って動物を継続的に飼育することにより、「生命あるものを大切にする心を育む価値ある体験となり」、だからこそ、「死んだり枯れたり病気になったりしたときの悲しさやつらさ、恐ろしさは、児童の成長に必要な体験」と示されている。
●紹介された西東京市モデルが示す年間の活動指針。
特別活動の目標は
(1)多様な他者と協働する様々な集団活動の意義や活動を行う上で必要となることについて理解し、行動の仕方を身に付けるようにする。
(2)集団や自己の生活、人間関係の課題を見いだし、解決するために話し合い、合意形成を図ったり、意思決定したりすることができるようにする。
(3)自主的、実践的な集団活動を通して身に付けたことを生かして、集団や社会における生活及び人間関係をよりよく形成するとともに、自己の生き方についての考えを深め、自己実現を図ろうとする態度を養う。
と示されている。
さらに、児童会活動の目標としては
「特別活動の目標は異年齢の児童同士で協力し、学校生活の充実と向上を図るための諸問題の解決に向けて、計画を立て役割を分担し、協力して運営することに自主的、実践的に取り組むことを通して、第 1 の(筆者注 上記の)目標に掲げる資質・能力を育成することを目指す。」とされている。
すなわち、課題について、児童同士で自主的に取り組み、解決する経験と通し、社会人としての基礎を身に付けさせることが目標となる。

●西東京市における学年飼育の引継ぎ集会の模様。
「2. 保護者や地域と連携する」ことは、西東京市においては学校休業中の世話に関する問題の解決につながっている。解説生活編においても「休日や長期休業中の世話なども組織的に行い、児童や教師、保護者、地域の専門家などによる連携した取組が期待される。」 とされている。
地域との連携を進める取り組みは、学校飼育動物活動に関する課題に限らず、地域における教育力の低下、家庭の孤立化などの課題や、学校を取り巻く問題の複雑化・困難化に対して社会総掛かりで対応することを求められる中、組織的・継続的な仕組みが必要不可欠と考えられている。
これらの背景から、文部科学省は、学校と地域住民等が力を合わせて学校運営に取り組む「コミュニティ・スクール」と学校と地域が相互にパートナーとして行う「地域学校協働活動」の一体的な実施を推進している。
地域学校協働活動は、社会教育法第 5 条第 2 項により、学校と協働して行う活動として、学校の授業終了後または休業日において学校で行う学習その他の活動も規定されている。
都内 62 基礎自治体中、34 自治体で「地域学校協働活動」に取り組んでいる(2022 年)。
●西東京市モデルにおける保護者との連携を示している親子当番の様子。
西東京市においては、地域学校協働活動の取組の一環として学校飼育動物の休業日の世話を位置付け、学校および地域学校協働活動推進員等を通じ、保護者及び地域住民への協力を呼びかけ、成果を上げている。
また、新型コロナウイルス感染症の影響による学校臨時休業の際には同市内保谷第二小学校において、生徒の父親によるコミュニティ「おやじの会」を中心とした地域および地元獣医師会支部との連携により、適切な動物飼育が継続され、「新型コロナウイルス感染症対応下における地域と学校の連携・協働の取組事例」 (文部科学省総合教育政策局地域学習推進課 令和3年2月追加 https://www.mext.go.jp/content/20210216-mxt_chisui02_001.pdf)として取り上げられている。
「3.獣医師会と連携する」については、言うまでもないことではあるが、学校で飼育される動物が、動物福祉の観点から適切に維持されていなければ、児童は動物を安心してかわいがることができない。解説生活編においても「動物の飼育に当たっては、管理や繁殖、施設や環境などについて配慮する必要がある。その際、専門的な知識をもった地域の専門家や獣医師などの多くの支援者と連携して、よりよい体験を与える環境を整える必要がある。」とされている。
飼育するにあたり適切な動物種の選定、飼育数の制限、飼育指導、疾病予防、治療、死体の検案といった業務を一貫して行える国家資格者は獣医師しかいない。また、各基礎自治体には当然多くの小学校が存在しており、東京都においても 95%程度の児童が通う、公立小学校における教育活動を支えるためには、獣医師個人での対応では不十分である。 さらに、対価が支払われないなど正当な評価をされない事業は、その継続性が不安定である。そのため、各基礎自治体教育委員会と対応する獣医師会支部との契約が必須である。
●西東京モデルの活動に必要な契約事項について。
私たちは、動物と共に生活する素晴らしさ、人生や生活が豊かになっていくことを経験している。
しかし、今、子どもたちの多くは動物と共に生活することさえできずに大人になる、そんな社会を作ってしまった。一生、動物を飼育しないまま終わってしまう人も増えていくだろう。
動物と共に生活する機会を子どもたちに与える、そして、それが良い経験となるように、職能団体である獣医師会として支えていきたい。
ぜひ、会員各位のご理解ご協力を賜りたい。
| 「学校飼育動物獣医師養成講座」を開催 |
去る 9 月 10 日日曜日にが開催された。第 1 部では本稿をご執筆された副会長の中川清志先生による「学校飼育動物活動のあり方」アップデートについてのご講演が行われた。
●学校飼育動物獣医師養成講座で講義中の筆者。
第 2 部は田園調布動物病院院長の田向健一先生による手技などを詳細に解説した「モルモットについて」が開講された。
●第 2 部でモルモットの種類から疾患、症例までを解説する田向先生。
●熱心に質問する受講生の先生。
●講義の終了にあたってあいさつするのは宮下めぐみ理事。
●学校飼育動物獣医師養成講座を運営するご担当の先生方およびスタッフのみなさま。
なお、11 月 5 日(日)14:30〜16:30に第 2 回の開催が予定されている。第 1 部は「小学校動物教育推進事業の根拠、目的及び期待する効果」を上野和広先生が、第 2 部では「チャボについて」を鳥と小動物の病院リトルバード院長の小島篤史先生がそれぞれ講演する。
広報委員会
小川篤志(広報委員長)
山本剛和(副委員長)
赤瀬 悟
安藤淳代
伊藤優真