活動内容
学校動物飼育の留意点
(モルモットはアンデス山脈原産の動物・適温は20℃)
冬の飼い方・冬の寒さで死なせないために
モルモットは低温や高温に弱いため、室外の飼育舎での飼育は困難である。 室内でケージ飼いをすることを推奨する。
夜は、床からの冷気に当たらないように、ケージを完全に包んだ防寒が必要。
(毛布は、モルモットが食べて、腸に詰まり死亡する事例も多々あるため、ケージを完全に段ボール箱に入れるのがよい。)
厳冬期には、ダンボールの中にペット用ヒーター、あるいはひよこ電球などを入れ暖をとれるようにする。そのとき、モルモットにコードをかじられないように注意する。
げっ歯類導入時の注意
ネズミの仲間であるげっ歯類は、ネズミから人への感染症を予防するためにも、病気がなく健康でおとなしい「実験動物」を購入するとよい。
シラミがいる個体は野生のネズミと遭遇している可能性があるので、飼育を避けた方が無難である。(外部寄生虫や健康状態については獣医師に相談する。)
実験動物は獣医師による飼育指導がある場合に限り、獣医師を介して購入可能である。
野生のネズミと接触させないためにも、校舎内や室内で飼育する。
その他
ネズミと同じ仲間のげっ歯類のハムスターにおいても導入時の注意は同様である。
ハムスターは気温が5℃を下回ると、疑似冬眠に入り、死んだような状態になる。擬似冬眠を死亡と間違え、動物を埋葬した事例もあるので、暖房の工夫をする。
学校で飼育しているウサギは、げっ歯類とは別の種類なので、人への感染症の心配はない。
基本
毎日、食べ残しを片付ける。新鮮な水と餌を与える。水不足は死につながる。
固形飼料
数ヶ月保存すると劣化するので、食欲をみながら、毎月1 袋ずつ購入する。特に夏季には買いだめをしない。
*餌代と汚れが酷くなるので、動物の飼育数を増やさない。
飼育数
理想的には、チャボとウサギ、2 羽ずつの1家族を飼い、繁殖制限をして、世話が早く終わり、たっぷりのふれ合いタイムが持てる「楽しい飼育」にする。
ウサギ
生後6ヶ月以上の成獣は、維持飼料として蛋白やカルシウム等が少ない餌を主にする。
*イネ科の草(乾草チモシー)、他の草、野菜。
目安:身体の大きさと同じくらいの量を1日2 回
個体差があるが、あまり食べないときは相談を。
*固形飼料:一日に、1匹あたり大匙1〜2杯以上は与えない。
(尿結石の原因になり、膀胱や腎臓を傷める)
チャボ
配合飼料に野菜や草を細かく切って混ぜる。(大きいと食べられない)
配合飼料:10年才くらいまでは「採卵鶏用」与える
(農協のが最適で、20キロ1500円ほど)
これもダニが発生したり、劣化するので、1ヶ月で消費するように購入。涼しいところに保存。
モルモット
ビタミンC の要求量が高い。生後6 ヶ月以上の成獣は、野菜や草や乾草を主にするが配合飼料も与える。
配合飼料
ビタミンC が強化されている。これは劣化しやすいので、1ヶ月で消費するように購入する。
小鳥
一日絶食(餌・水)すると半数が、一日半絶食すると全羽数が死亡する。毎日、餌箱の空の殻皮を、よく吹き飛ばして餌の量を確かめ、新鮮な水と餌を与える。
配合粒餌:着色のないものを選ぶ。金槌でたたいても、潰れないような餌は小鳥も食べられないので、新しく良いものを選ぶ。
青草:週に数回、鳥が引きちぎることができるように固定して、与える。菜っ葉も同様。
寒い冬、自然界のウサギは、巣穴に入って生活します。チャボやニワトリは、原産地が東南アジアと元来暖かい地域に住む動物ですから、寒さには弱いのです。
これらの動物には、11月になったら巣箱を与えることが必要です。動物の健康への配慮を行うことで、子どもたちは命の大切さに気付いてくれることでしょう。
巣箱
木製でつくるが、雨がかからないところならダンボールでも良い。
ウサギ(1〜2匹用)
寸法は、間口45cm、奥行き40cm、高さ40cmぐらいの箱
可動式の蓋に出入り口をつける。出入り口の大きさは、横10cm、高さ12cmぐらいにして、ウサギの体の大きさに合わせる。出入り口が大きすぎると、箱内の温度が下がるので、保温にならないので注意する。
素材は木製が良いが、合板はホルマリンガスがにおうため、動物が嫌う。
木製が間に合わないときは、ダンボール箱に出入り口をつければよい。
毎日の管理は、新聞紙をしいておき、毎日、蓋を開けて取り替えて糞などを取り去る。
チャボ
ウサギと同様につくる。
寸法は、ウサギと同じくらいの箱で3〜4匹入れる。
入り口はウサギより高く20cm近くにするが、実際に入れるかどうかを子どもに工夫させるとよい。
防風と防寒
風通しがよすぎる飼育舎の場合、可能な範囲で、厚いビニールを貼って風を防ぐとよい。春には、必ずビニールを除去する。
セキセイインコなど小鳥の場合は、校舎内の籠で飼うようにするが、夜にはダンボールの箱をかぶせて防寒する。飼育舎で飼う場合は、巣箱とビニールによる防寒が必要。
ビニールの中で、上に一つ裸電球をつけておけば暖が取れる。
栄養
体力を落とさないように、休日にも新鮮な水と餌を与える。(「命には休みがない」と、子どもに伝えるために、保護者等の支援を受けるとよい。親子の良い会話につながるとか・・)
学校開放を活用して、行事に集まる親子等が担当する学校もある。
特にセキセイインコなどの小鳥は、一日絶食すると約半数が死亡し、一日半絶食するとすべて死亡する可能性が高いので、注意する。
巣箱の事例

事例1 高さ50センチの棚の上に巣箱をおいている。ウサギが上り下りする坂道がつけてある。

巣箱の蓋は開閉でき、毎日 中に敷いてある新聞紙を取り替えて掃除する。

事例2 チャボのための児童制作の巣箱これも蓋は開閉するようにしてある。
事例3 木製巣箱と ダンボールの急場用巣箱段ボールは、壊れたら新しいものに交換する。
段ボール:寒さ予防のため、小さな入り口の他は、すべて締め切る。中の新聞紙を毎日交換する。(箱が風で飛ぶと怖がって入らなくなる)