75年の感謝を胸に、
未来への一歩時代と共にみる、75周年の歴史

第1章

獣医師団体のスタート

会員数
20名前後

1909

東京獣医師会のはじまり1909-1928

1909年~1928年は【東京獣医会】という名称で活動していました。

私立獣医大学卒業の開業者が中心となり東京獣医会を結成。

1913

東京獣医師会は政府と
貴衆両院に請願書を提出

我国の獣医師養成制度は不十分。学識・技能を発展させる必要がある。獣医師会を獣医師法の中に規定したい。

当時の東京獣医会の意見

1915

東京獣医師会第1回大会開催

獣医や医師のような一種の公権を附与する業務に対しては一定の法律を作りその権利を保護すると同時に各自の業務を厳守させる必要がある。 現在の獣医免許規則は不十分であるため、法制定発布を農商務大臣に建議べきである(要旨)。

東京獣医会 梅野信吉 獣医学博士の発言

この発言から11年後、獣医師法制定!

1924

東京獣医師会の提唱で
全国獣医師会連合会が結成

獣医師法案の請願や全国獣医連合大会を開催。

1926

獣医師法制定

東京都獣医師会史(1973年)では、「この日が、獣医会の永遠不滅の記念日となった」と評している。

memo

1925年の東京在住の獣医師は841名で、開業獣医師は127名。対象動物は馬、牛、犬、猫だったが中でも貨物運搬に使役される輓馬(ばんば)のニーズが最も高かった。

1902年当時、東京馬車鉄道だけで2000頭を保有していた。なお、東京は畜産物の大消費地であると同時に牛馬の大使役地でもあったため、悪疫の侵入・伝播の機会が多かった。

第2章

国指導で開業医は
強制加入する団体へ

会員数
166名

1927

(勅令)東京府獣医師会
(勅令)東京都獣医師会1927-1948

1927年~1943年は【東京府獣医師会】、1944年~1948年は【東京都獣医師会】という名称で活動していました。

法人として初めての獣医師会が誕生。1927年に公布された勅令の獣医師会令は開業獣医師は全員獣医師会に加入しなくてはならなかったため、開業獣医師の団体という性格が強まった。勤務医は加入は自由。

当時獣医衛生行政は東京府の場合は警視庁の管轄であり、この時代に狂犬病の予防注射が飼い主に義務付けられた。

1931

満州事変が勃発

1940

獣医手制度の誕生

獣医師の多くが軍務に服し、獣医師不足が生じたため、1940年に獣医師等臨時特例に関する法律が制定され、畜産団体等の職員として家畜関連の業務に従事できる獣医師免許に変わる「獣医手制度」が獣医会の反対を押し切って誕生した。

NO!

戦争中は国益が最優先だったため獣医師免許がなくても家畜関連の業務に従事できるとする獣医手制度に本会は反対していた。

1941

第二次世界大戦勃発

1944

「東京獣医師会」に変更

1943年から東京都政となったため、1944年からは(勅令)東京都獣医師会に名前が変更となった。

1947

教育基本法・学校教育法公布

6年(小学校)、3年(中学校)、3年(高校)、4年(大学)制の学校教育法が施行された。

第3章

現東京都獣医師会の
基礎団体がスタート

会員数
360名

1948

社団法人
東京都獣医師協会の始まり1948-1951

1948年~1951年は【社団法人 東京都獣医師協会】という名称で活動していました。

勅令による強制設立・強制加入などの制度が、戦後の民主主義の思想に添わないとGHQが判断したため、(勅令)東京府獣医師会/東京都獣医師会は1948年7月に解散されることになった。

事務局に残る当時の狂犬病関連の書籍

1949

狂犬病流行

関東一帯に狂犬病が発生。203頭。

1949

獣医師法改正

新制大学を卒業し、かつ、獣医師国家試験を合格した者のみに免許を与える。獣医手制度の廃止。

1949

第1回獣医師国家試験実施

女性獣医師誕生。

1949

東京都獣医師会報を発行(現『TOJUジャーナル』)

東京都獣医師会報

1950

狂犬病予防法の成立

家畜保健衛生所法が成立。

1951

家畜伝染病予防法全面改正

第4章

社会の要請に合わせた
取り組みを広く展開

会員数
561名

1951

社団法人東京都獣医師会1951-2012

1951年~2012年は【社団法人 東京都獣医師会】という名称で活動していました。

1953

獣医師法17条改正問題が勃発
会として反対運動を起こす

1953年に設置された政府の臨時行政改革本部は、獣医師法第17条「獣医師でなければ家畜(牛、ウマ、めん羊、山羊、豚、犬、猫及び鶏)の診療を業務としてはならない」の条文のち、「犬、猫、鶏」を削除した改正案を示した。この問題が起こった明確な理由は不明だが獣医師が利益を独占していると思われていたからだと言われている。

NO!

東京都獣医師会は犬、猫、鶏は獣医師でなくても診療を可能とする改正案に反対していました。

1962

第1回小動物学会開催以降毎年開催

1965

本会初の「運動会」を実施

1966

「動物まつり(動物フェスティバル)」をスタート(小田急デパート)

獣医師の名の私たちが、動物に関わって活動していることを、世間はどれほど知っているだろうか。どういうかかわり方をしているかとなると、まるで不正確な場合が少なくなく、例えば、ごく稀にしても「犬やさん」と呼ばれて憤然あるいは憮然としたような経 験を、だれもが一度くらいは持っている。こうした世間の認識不足は、実は、獣医師自身の「知らせて知ってもらうことへの努力が足りなかったからである。過去を省みても会や日本獣医師会が、知ってもらうためにどれだけの情熱を傾けてきたといえるだろう。知られない処に、認識もありよう筈がない。一握りの客と税務署しか私たちを知らないという現状を改善するために、この催しを是非成功させようではないか。

東京都獣医師会 獣医事公衆衛生委員会 大久保委員長のコメント(1966年動物まつりにて)

1971

会報を「東獣ジャーナル」に改める
「ひかりの箱」募金開始

東京都獣医師会では、会員の動物病院に「ひかりの箱」を設置して、都内に居住する身体障がい者の方々が飼育する補助犬の診療費を支援するための募金を1971年から50年以上おこなっています。

1972

離島の予防注射に会員を派遣

大島を除く伊豆七島全域の狂犬病予防注射を本会が担当。以後毎年実施。

八ヶ岳 狂犬病注射

1975

ひかりの箱募金により盲導犬第1号を
東京都に贈呈

1978

獣医教育6年制が開始

1995

阪神大震災に伴い、日本獣医師会、地方獣医師会は直ちに義援、救護活動

災害
対策

2000

三宅島噴火による被災動物の救護活動

災害
対策

2002

学校飼育モデル校事業活動

2012年 足立区興本小学校
東京都教育委員会委託事業「動物ふれあい教室」

2003

災害対策基本法に基づく指定地方公共機関認定
マイクロチップによる個体識別普及推進活動

災害
対策

2005

小笠原ノネコの受け入れ開始

2008

小笠原村動物診療派遣団の派遣を初めて行った、野生鳥獣の救護活動に対して都知事より環境功労賞授与

2009

自然環境功労者として
環境大臣より表彰状を授与

都知事より環境功労省受賞

2011

東日本大震災東京都動物救援本部設立
東日本大震災東京都動物救援センター開設

災害
対策

第5章

公益社団法人を
未来へ引き継ぐために

会員数
699名

2012

公益社団法人 東京都獣医師会2012-現在

2012年以降は【公益社団法人 東京都獣医師会】という名称で活動していました。

周囲から認められる法人格を残したいという考えから公益社団法人格を取得。

2012

アジア4都市(東京、北京、上海、台北)学術交流調印

2014

「動物のいのち救済基金」活動開始

下記の4つの目的をもって「動物のいのち救済基金」をスタートさせました。

  • 1.自治体による動物の殺処分頭数を、限りなく0(ゼロ)に近づけるための取り組み
  • 2.災害時の動物救護活動および救護体制の構築
  • 3.高齢者の動物飼育に対する支援事業
  • 4.その他の動物福祉活動

小笠原母島でのカツオドリの繁殖復活を確認

2015

御蔵島村猫対策事業開始

2016

熊本地震発生 義援金を募り寄付、
被災動物への救援活動実施

災害
対策

2017

東獣ジャーナルが「TOJUジャーナル」へリニューアル

2018

70周年を迎える

2018

長寿犬・長寿猫の表彰開始

2018

政令指定都市会議及び
東京都獣医師会連絡協議会(東京)開催

2018

コリネバクテリウム・ウルセランス感染症による死者を国内で初めて確認

6年ぶりに岐阜県にて豚コレラが発生

2019

補助犬診療券の利用金額の変更
(1頭2万円 150冊)

2020

新型コロナウィルス感染症対策

コロナウイルスに感染した飼い主と動物たちの健康相談や都民や獣医師への情報提供、お台場に都が設置した宿泊療養施設への飼養支援を行いました。

2021

「人と動物、生態系の健康はひとつ
~ワンヘルス共同宣言」に参画

2021

東京オリパラ会場にくる「身体障がい者補助犬」に対し暑さ対策の啓発や診療サポート病院による支援体制を用意

2022

小笠原自然環境保護事業による
ノネコの保護活動の継続と、
保護数が1,000頭に達したことに対し、
小笠原村長より感謝状を授与

2023

東京VMATを組織

東京VMAT(Veterinary Medical Assistance Team:災害時獣医療支援チーム)とは災害時に被災地での獣医療支援などを行うために、獣医師を主体として組織されたチームです。

  • ・被災状況調査
  • ・被災地における連絡体制の確立
  • ・現地動物病院の業務再開に向けた支援
  • ・情報の収集と共有 など

東京VMAT 任命式

2023年会員数
1049

開業獣医師A会員、勤務獣医師B会員、
賛助会員が含まれています。
A会員のみの場合、596名(12月時点)

東京都獣医師会会長
上野弘道

この節目に言葉を残せる名誉に感謝いたします。
私達は先人の努力の積み重ねの上にあります。この記念すべき年に、先輩方の偉業に敬意を表し、残された足跡に触れ、同時に今の会を支えてくださっている皆様に心からの感謝を表す機会としたいと思います。
会員一人ひとりがこの組織の誇りであり、大きく変化する今の時代に共にこの旅を続けられることを誇りに思います。